西荻vivo daily stand|小さな飲食店でも年間約30種のクラフトビールを導入できた理由

『vivo daily stand』は東京都内で28店舗を展開し、フレンチデリとデイリーワインをメインに提供する一人でも気軽に使える地域密着型のバルです。
2019年2月にオープンした「西荻窪店」では、当初からクラフトビールをメニューに加えていて、選ばれたのがクラフトビール専用ディスペンサー「タップ・マルシェ」でした。

いまやワインと売り上げを二分するほど人気の「タップ・マルシェ」導入の理由と、お客様の反応を店長の庄司智浩さんに伺いました。

▶︎ タップマルシェ導入の詳細は公式サイトから

タップ・マルシェの注文はこちら(既にお取り扱いいただいている飲食店さま)

――まずは「タップ・マルシェ」の導入の経緯を教えて下さい。

うちの基本コンセプトは「毎日気軽に通えるバル」なんですが、開業にあたり、飛び道具が欲しかったんです。お客様に喜んでもらえるなら「武器」はいっぱいあったほうがいいというか。
私はもともとクラフトビールに詳しくなかったんですが、オープン前にクラフトビールに触れる機会があって、その豊かな世界観に「これは武器になる」と確信しました。

ただ、そのタイミングが、店の内装が出来上がったあとだったんです。
カウンターには樽生ビールのタップを設置済みで、それ以上はタップの数を増やせない。それで当初はクラフトビールを瓶で提供することを検討したんですが、ウチはカウンターの内側だけが使えるスペースなので、在庫を置くスペースを確保できず断念。これなら設置できそうだと思えたのが、小型ディスペンサータイプの「タップ・マルシェ」だったんです。

――開業後のお客様の反応はいかがでしたか?

「飛び道具」の効果は想像以上でした。お酒の売り上げでいうと半分くらいはクラフトビールというくらい、お客様からは好評です。クラフトビールは予想以上に認知されているんだなあと実感しました。
クラフトビールを目当てに来店される方もたくさんいらっしゃって、来店頻度は確実に上がっていると思います。店名に『daily』とあるように、毎日寄っていただきたいという店のコンセプトからして、狙い通りです。

――クラフトビールを楽しまれるのは、どんな客層なんですか?

お客様のほとんどは地元の単身者で、20〜30代が中心。男女比は半々くらいで、みなさま、ほぼお一人で来店されます。客単価は2,000円以下ですから、1、2杯ぱっと飲んでちょっとつまんで、という使い方をされる方が多いです。ありがたいことに、常連となってくれる方もたくさんいらっしゃいます。

 

――お客様にはクラフトビールをどうやって勧めるのですか?

机上にメニューもありますが、ワインとビールについては、カウンターの正面に設置してあるボードを見て注文される場合がほとんどです。
グラスワイン赤白6種などを案内する黒板とは別に、その日のクラフトビールを案内するボードを2カ所に設置しています。
そのボードでは、ECサイトでダウンロードしたPOPの画像を使って、お客様に直感的に銘柄をイメージしてもらえるようにしています。
ビールの回転が早いときは1日に4銘柄くらい提供することもあるので、POPや値札はラミネート加工し、裏にベルクロを貼るなどしてあるので、秒速で交換できますよ(笑)。

銘柄を替える場合、特に新銘柄を扱う場合はホームページやSNSで告知するようにしています。常連さんには初めて飲む銘柄を楽しみにしている方もいて、そういう方は告知当日に来店されたりもします。

――1日4銘柄!  提供するクラフトビールはどうやって決めるんですか?

「季節感に合わせて軽めとしっかりめを1種ずつ」というのが基本ですが、どんなビールが飲みたいか、お客様に積極的にヒアリングします。戦略があるとしたら、小刻みに銘柄を変更するということです。お客様に飽きずに楽しんでもらえるし、結果的に在庫の動きが良くなると思います。

そんなわけで、これまでに「タップ・マルシェ」の銘柄は、約30種類すべて使ってみました。
印象に残る人気銘柄は……ひとつは「九州CRAFT日向夏」。去年の夏は人気がありすぎたので、受注開始時刻に合わせてパソコンの前に張り付いてました(笑)。
それと「スプリングバレー 豊潤<496>」もバランスがいい万能選手で、お客さんを問わず好評です。同業の友人の間でも話題になりました。

――お店の基本コンセプトは「ワインとデリ」ですが、ペアリングは意識されますか?

そこはお客様におまかせしています。ウチでは20種弱のデリに、ハムやチーズなどを提供していますが、ワインに合う料理はクラフトビールにもよく合うという実感があります。お客様にしても、様々な組み合わせを試してみるのが楽しいみたいですね。

――他の飲食店に向け、プロの立場で「タップ・マルシェ」をすすめるとしたら、どんな点でしょうか?

ウチは本当に救われましたが、省スペースで多彩なクラフトビールを提供できるのは圧倒的な武器になると思います。在庫管理も楽だし、メンテンナンスも普通のサーバーに比べたら簡単なので、積極的に銘柄を替えられるのも利点です。
あとは、ビールの苦味が苦手でもクラフトビールなら飲めるという方がけっこうたくさんいらっしゃいます。そういう方に楽しんでもらって、ウチはビールで常連ができた、と声を大にして言いたいです。

『vivo daily stand 西荻窪店』
東京都杉並区西荻南3-17-1 Rin nishiogikubo 1F
電話:03-5941-3717
営業時間:17~26時(通常時)
年中無休
https://vivodailystand-nishiogikubo.blog.jp/

◆取材時(2021年6月)の取扱銘柄
・常陸野ネスト ホワイトエール
・ブルックリンラガー
価格は銘柄により、715円と825円の2種

▶︎ タップマルシェ導入の詳細は公式サイトから

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