飲食店開業準備で必ず行わなければならない「営業許可」の取得。
必須の申請ではありますが、用意する書類が多いことや業態ごとに必要な許可証が異なるなど、なかなかややこしい手続きです。
本記事では、飲食店開業にあたり必要な営業許可の取得プロセスを解説、またそれぞれの業態ごとに必要な営業許可についてもご紹介します。
Table of Contents
飲食店の「営業許可証」とは?
飲食店を始めるにあたって「飲食店営業許可証」の取得は必須です。
営業許可証を取得していない飲食店は「無許可営業」となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金というペナルティを課せられます。
飲食店の営業許可証は、お店のある地域を管轄する保健所に申請を行うことで取得できます。
簡単に説明すると、保健所への申請、保健所によるお店の立ち入り検査、営業許可証発行という流れです。
飲食店の営業許可は業態ごとに種類がある
飲食店の営業許可証はいくつか種類があり、お店の業態によっては追加で取得しなければならないものもあります。
ここでは飲食店の主な営業許可を3つご紹介します。
飲食店営業許可証
飲食店営業許可証は、居酒屋やレストランなどほとんどの飲食店を開業する際に必要な資格です。
2021年までは調理を伴わない飲食店のための「喫茶店営業許可証」という制度がありましたが、今では全てこの「飲食店営業許可証」に統合されています。
深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜にアルコールを提供する飲食店に必要なのが「深夜酒類提供飲食店営業開始届」です。
深夜0時から午前6時までの時間に、酒類をメインに提供を行う場合は、お店の最寄りの警察署に申請を行わなければなりません。
製造販売を行う場合に必要な許可も
飲食店でのお料理の提供は「調理業」にあたり、先に紹介した「飲食店営業許可証」でカバーできます。
しかし乳製品の「製造」(手作りアイス、とかですね)や、食肉の「処理」などにも、それぞれ許可申請が必要な場合があります。
また、乳類や魚介類など販売業の営業許可が必要な食品類もあるので、お店のコンセプトやメニューが固まった段階で、最寄りの保健所に相談に行くようにすると安心です。
▶︎【手続き系総まとめ】飲食店開業するために必要な「資格」と「営業許可」を解説!
飲食店営業許可取得のプロセスを解説
- 保健所に事前相談をしておく
- 営業許可申請を提出
- 保健所による立入検査を受ける
- 飲食店営業許可証の交付
- 消防署に防火管理者を届け出る
飲食店営業許可証を取得する際のおおまかな流れは上記のとおりです。
ここからそれぞれの項目を一つずつ解説していきます。
保健所に事前相談をしておく
保健所に事前相談をするタイミングは、お店のコンセプトやメニューの方向性が決まり、施工業者などから店舗の図面を用意してもらってからになります。
工事や仕入れなど、開業準備が進んでから突然営業許可を申請……としてしまうと、万が一却下された場合に大幅にオープンの予定が狂いかねません。
そのためお店の開業準備を進めながら「営業許可を取るための事前相談」として保健所に足を運んでおくのがおすすめなのです。
営業許可申請を提出
事前相談で営業許可証を申請できる目処が立ったら、届出に必要な書類を準備しましょう。
必要書類は以下のとおりです。
- 営業許可申請書(保健所発行の申請書に記入したもの)
- 施設構造や設備の図面(すべての設備を説明できるもの)
- 食品衛生責任者の証明(食品衛生責任者手帳や各資格の証明書の原本または写し)
- 水質検査成績書(お店で使用する水道によっては求められることがあります)
- 登記事項証明書(法人の場合のみ)
保健所による立入検査を受ける
営業許可申請をしたら、その後保健所による施設の立入検査が行われます。
ここで指摘箇所があった場合、改善をしたあと再検査が必要になるので、検査日までにお店を整えておいてスムーズな開業を目指しましょう……!
飲食店営業許可証の交付
検査の結果、飲食店の営業許可証が交付されたら、お店の見えるところに掲示しておきましょう!
飲食営業許可証の取得にかかる期間と費用
飲食店営業許可証を取得するための費用と、取得までにかかる期間の目安をご紹介します。
期間
事前相談から営業許可が降りるまでの期間は、だいたい3週間ほどと見ておくのが良いでしょう。
各保健所にもよりますが、申請から立ち入り検査が行われるまでの処理期間はおよそ10日ほどが目安です。
費用
飲食店営業許可の申請にかかる費用は、都道府県によって異なります。
東京都の場合は18,300円となっています。
「(県名) 営業許可申請」などのキーワード検索を行い、管轄の保健所のホームページで確認してみてください。
参考:東京都福祉保健局・保健所「東京都食品衛生関係許可手数料」
スムーズな飲食店開業のために営業許可を取る準備を始めよう!
飲食店開業にあたって必ず取得しなければなければならない「営業許可」。
2021年の制度改正により新基準が設けられたので、居抜き物件で飲食店開業をする場合も、保健所に事前相談を行いましょう。
計画的に営業許可申請の準備を行い、スムーズな飲食店開業ができると良いですね!