毎年冬には注意喚起される「ノロウイルス」。
ノロウイルス対策を甘く見てしまうと、お客様に辛い思いをさせてしまうのはもちろん、お店は営業停止処分になってしまいます。
今回は、ノロウイルス感染の原因、対策についてお伝えしていきます。
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牡蠣が美味しい季節はとくにノロウイルスに注意
12月~2月は、牡蠣が最も美味しい時期。
生牡蠣や牡蠣鍋、牡蠣フライなどさまざまな牡蠣料理を提供している飲食店も多いと思います。
昔からよく「牡蠣は新鮮なら大丈夫」と言われたりしますが、実はそうとは限りません。
正しい情報を知ることで、より安心してお客様に料理を提供できるようにしましょう。
牡蠣=ノロウイルスを持っている?「調理法」がもっとも重要
牡蠣は、餌としてプランクトンを含んだ海水を取り込みます。
その海水の中にノロウイルスが含まれていると、ウイルスは牡蠣の体に取り込まれ、蓄積されます。
その牡蠣を、生や加熱が不十分な状態で食べると、体内にノロウイルスが入り込み、腸内の粘膜で増殖、食中毒が発生するのです。
とくにお年寄りや子供、すでに体調の悪い人など抵抗力の弱まっている方が発症しやすいと言われています。
つまり牡蠣の「鮮度」がいくら良くても、ノロウイルスが蓄積された牡蠣であれば食中毒の危険性はあるのです。
そのため、飲食店が最も気をつけなければならないのは牡蠣の調理方法と言えるでしょう。
「酢牡蠣」ってどうなの?ノロウイルスはお酢では死なない
「酢牡蠣」は、お酢を使っていることから「何か殺菌されているっぽい」イメージを持たれがち。
しかし、ノロウイルスは酢では死滅しません。つまり「生牡蠣」同等の確率で食中毒が起きてしまうリスクがあります。
ノロウイルス感染は「焼き牡蠣」でも起こりうる
牡蠣はノロウイルスを含んでいる可能性があるため、焼いて提供するのが望ましいとされます。
ここで「ウイルスが死滅する」加熱条件を改めて確認しておきましょう。
ノロウイルスは、中心部85℃以上を維持しながら1分以上加熱しないと死滅しません。
表面を炙っただけではウイルスを死滅させるために加熱できた、とは言えないので、提供する際には注意が必要なのです。
ノロウィルス対策の基本チェックポイント
ここからは、飲食店でできるノロウイルス対策をまとめていきます。
調理編
- 生牡蠣の提供を避ける
- 牡蠣の芯温は85℃に保ち、1分以上加熱する
- 牡蠣を扱う器具は専用のものを使う(牡蠣専用にして他の食材には使わない)
- 専用器具は使用したあと85℃以上の熱湯で1分以上煮沸する
その他
- こまめに手を洗う
- 生牡蠣を食べないようにする(人からの感染を防ぐため)
- 腹痛や下痢など、体調が悪いスタッフを出勤させない
- アルコールではなく「次亜塩素酸ナトリウム」入りの洗剤・消毒を使用する
食中毒を起こさない!万全のノロウイルス対策をしよう
飲食店で食中毒が発生した場合、1週間程度の営業停止処分になる可能性があります。
正しい知識と対策で、ノロウィルスによる食中毒を起こさないよう、万全を期して牡蠣料理を提供しましょう!