『MADE IN HANDS(メイド・イン・ハンズ)』は、東急日吉駅から徒歩1分のグルメハンバーガー専門店。
“楽しく食べて、パワフルに生きる”をテーマに、美味しく健康的であることを追求。専属の栄養士が監修した添加物や化学調味料を一切使用しない料理を楽しめます。
グルメハンバーガーとクラフトビールは相性が良く、『MADE IN HANDS』では2016年のオープン当初からクラフトビールを提供していたのだとか。
そんな『MADE IN HANDS』店主の阿部和彦さんに、タップ・マルシェ導入の経緯や、タップ・マルシェがお客様に与えた影響についてうかがいました。
タップ・マルシェの注文はこちら(既にお取り扱いいただいている飲食店さま)
――クラフトビールはオープン当初から扱っていたそうですが、「タップ・マルシェ」を導入した理由は何だったのでしょう?
オープン当初は海外のクラフトビールを「瓶」で提供していました。しかし海外のクラフトビールは、仕入れ先の都合で取り扱いが終了したり商品が発売停止になるなど、思うように仕入れができないという問題がありました。
希望の商品が仕入れられないとメニュー表を差し替える必要が出てきますし、大量にあるクラフトビールから料理に合う商品を選ぶ必要も出てきます。また、その作業にかける時間と手間も気になっていました。
そこで導入したのがキリンビール株式会社が提供している「タップ・マルシェ」でした。大手企業の商品なので、期間限定や数量限定の商品でなければ殆ど「終売」にならないという安心感がありますし、ラインナップも20種以上と選びやすいので仕入れの負担がグッと減りました。
以前も、お客様から「生ビールないの?」と聞かれることもあったので、クラフトビールを生で提供できるのはメリットだと思います。
――導入してから「タップ・マルシェ」のクラフトビールが売れるようになるまでに時間はかかりましたか?
そんなにかからなかったです。グルメハンバーガーとクラフトビールの相性が良かったので「通常のビールより高くても美味しいクラフトビールを飲みたい」というお客様のニーズにマッチしたような気がします。
うちのお店はワンドリンク制を取り入れているので、休日のランチにハンバーガーとクラフトビールを注文するというお客様もいらっしゃいます。
また、当店ではウイスキーも多く揃えているのですが、「クラフトビールを生で飲めるなら」という理由で、ウイスキーやハイボールからクラフトビールにシフトした方もいらっしゃいます。
――「タップ・マルシェ」導入後から見えてきた課題などはありますか?
「タップ・マルシェ」は、1本3リットル単位なので樽のビールよりも売り切りやすいのですが、それでもコロナ禍が影響してロスが出ることもありました。
また、賞味期限が開栓してから1週間なので、1杯700円〜750円で提供してもロスが出ると厳しいというのが現状で。
――その状態をどのように乗り越えたのでしょうか?
うちで考案したのは、「ハッピーセット」と「スーパーハッピーセット」という新メニューです。
「ハッピーセット」は、1,080円(税込)で銘柄指定のクラフトビール2杯と500円分のおつまみ付き。「スーパーハッピーセット」は、1,280円(税込)で好きなクラフトビール2杯と500円分のおつまみが付いてきます。
おつまみの内容は一緒なので、2つの違いは単純に銘柄を「選べるか」「選べないか」だけです。
とはいえ実際は「ハッピーセット」に使うビールを賞味期限の近いものにして、在庫のロスを減らすようにしています。たった200円の差ですが、「スーパーハッピーセット」を選ぶお客様も多くて驚きました。
「ハッピーセット」は、お店にとってビールのロスを減らせるというメリットがあり、お客様は安くお得にビールが飲めるというメリットがあります。まさに、Win-Winの関係を作ることができました。
私のお店では、クラフトビールを注文するお客様に「ハッピーセット」と「スーパーハッピーセット」をご案内するようにしています。
現在では、ほぼ全てのお客様が注文する人気メニューになりました。
――クラフトビールの銘柄はどのように選んでいるのでしょう?
通常であれば4種類の銘柄を揃えていますが、現在はまん延防止等重点措置による時短営業のため1銘柄のみとなっています。
銘柄選びに関しては、近隣住民のお客様にご来店いただくことが多いので定期的に変更しています。
これは、私にとっての教訓なのですが、クラフトビールの銘柄選びは来店されるお客様の嗜好に合わせることが重要だと感じています。
以前、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」といった、一般的に人気のある銘柄を入れたことがあるのですが、うちのお店では意外と人気が無かったんです。
エリア的な要素もあるのでしょうが、「お店に来てクラフトビールを飲むなら、いつもと違うものが飲みたい」というお客様が多かったんですよね。
「コンビニなどでも売られている人気のクラフトビールだから、お店でも出るだろう」と高をくくっていたが間違いでした。
お店でよく出ているのは、飲み応えのあるIPAやラガーです。また飲み飽きしない「スプリングバレー 豊潤<496>」も、定番としてよく飲まれています。
――「スプリングバレー 豊潤<496>」はコンビニやスーパーで購入できるようになりましたが、お客様の反応に変化はありましたか?
「スプリングバレー 豊潤<496>」に関しては、缶で販売されてからもオーダー数に変化はないですね。
逆にCMなどで知名度が上がったこともあり、注文が増えたような気がします。
缶ビールを買って美味しかったから、これなら安心という気持ちがあるのかもしれません。
個人的には「お店だから飲めるクラフトビール」というのが好きだったので、「スプリングバレー 豊潤<496>」が缶で飲めるようになったのはショックなんですよね(笑)。
とはいえ、「スプリングバレー 豊潤<496>」のように、これからもお客様に喜んでもらえるクラフトビールを探していきたいと思います。
――ありがとうございました。
■「タップ・マルシェ」成功のポイント
「タップ・マルシェ」を成功させるために『MADE IN HANDS』で行った工夫は2つありました。
・お客様の嗜好に合わせたクラフトビールを選定すること。
・「タップ・マルシェ」を使ったお得なセットメニューを考案し、在庫をコントロールすること。ロスを減らせば利益UPにつながる。
「ロス」を減らすために安売りすれば良いのではありません。お客様に喜んでもらいつつ店の利益を確保するために何ができるか考えることが肝要です。
また、いつでも自分好みのクラフトビールがあると認知させることで、来店頻度のアップが見込めます。
<<店舗情報>>
店名:『MADE IN HANDS』
住所:神奈川県横浜市港北区日吉2-2-16 第一マルシンビル2階
電話:045-294-9169
営業時間:[平日]11:30〜14:30、17:30〜21:00 [土・日・祝日]11:30〜21:00
※営業時間は、コロナ対応に伴い変更になる場合があります